１．オハヨ〜
のんたんとあみちゃんは、８月９日でめでたく６歳になりました。ぱちぱちぱち…。うれしいながらも、なんだかお疲れのおとうさん、おかあさんです。それというのも、のんたんはこの夏、再び飲み始めたけいれん予防のおくすりのおかげで、続けて４時間以上眠れなくなっているらしく、毎日夜中の３時に
「オハヨ〜」
と起きてくるのです。
２年前の、「おーい、オキロ！」に比べると、朝のごあいさつが言えるようになっただけでも大進歩です。それはそれでうれしいのですが、その後は朝までのんたんにおつきあいして、睡眠時間２時間で会社に出勤している身のおかあさんとしては、
「おねがい、のんたん。もう少しねかせて…。」
と祈るばかりなのです。
けれどのんたんはすっかり目がさめていて、
「ボク、いつでも起きて、ほいくえんに行けるもんね！」
と言わんばかりに、元気いっぱいです。
そのまま、まかりまちがっておかあさんが
「おはよう。」
とでも言おうものなら、
「ほ〜ら、やっぱり朝なんでしょ？」
と納得してしまい、のんたんはそのまま隣りの部屋に行っておもちゃで遊びはじめることでしょう。ですからおかあさんは、けっして、「おはよう」とは言いません。だって、外はまだ真っ暗なのです。
「のんたん、だめよ。まだ夜なの。もっとねんねしてね。ねんね！」
とおかあさんに言われると、不思議なことにのんたんは、お布団の上でおかあさんにくっついて横になったままで、けっして起き上がろうとはしないのでした。
そのかわり、おかあさんの右に寝たり、左に移動したり、そうかと思うと、おかあさんのおなかの上ににぺったりと腹ばいになってみたり…と、まるで運動会のようなさわぎが続きます。これでは、おかあさんはとうてい眠れたものではありません。
そうしてのんたんにおつきあいしながらうとうとすること数時間、空がすっかり明るくなります。やれやれ、今日もまた寝られなかったなあ…と思いながら、よろよろと起き上がるおかあさん。
「のんたん、お、は、よ。もうおきていいよ。」
とおかあさんが言ったとたんに、のんたんはピョン！と起き上がります。そして、まるで行進でもするかのように、ぱったぱったと足を動かして隣りの部屋に行き、キーボードで遊び始めるのでした。きっと、おかあさんとおふとんで遊ぶ数時間が、のんたんには格好のウォーミングアップになっているのでしょう。うーん、元気だなあ…と見守るおかあさんは、すでによれよれ状態…。ワーキングマザーはつらいよ。とほほ…。
のんたんといっしょに過ごす「眠れぬ夏」（ほんとは、「眠くても寝られない夏」なのですが…）も、これで３年めです。あいかわらず睡眠が安定しないのんたんに、夏はいつも大変なのですが、今年ののんたんは、おかあさんの言うことをかなり理解できるようになっています。「朝になった（＝もう起きても良い）」ということを、おかあさんに言われてわかるようになっただけでも、大進歩です。そのことをうれしく思いながらも、「でも、頼むからもう少し寝てくれい…」と今日もぼろぼろで出勤する、おかあさんなのでした。とほほ…。
（おわり）
オハヨ〜
