のんたん日記　６

１．かーたん、だいすき！　（2004年8月9日）

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かーたん、だいすき！

　　のんたんとあみちゃんが９歳になったこの夏、おかあさんには、とてもうれしいことがあります。
　　それは、のんたんが、「かーたん、だいすき！」ということばを言えるようになったことです。
　　もっとも、これは、おかあさんがのんたんにそのまんまおしえこんだことばです。毎晩、 のんたんといっしょにおふとんで寝るときに、おかあさんは必ず、のんたんのほっぺにチュッとキスして、 「かーたん、だいすきって、いってごらん。」
と、話しかけていたのです。
　　はじめのうちは、のんたんも、
「かーたん、だいすきって。」
などと言っていましたが、最近はようやく、おかあさんがほっぺにチュッとすると、
「かーたん、だいすき！」
と言ってくれるようになってきました。
　　のんたんのその言葉をきくたびに、おかあさんはめろめろになってしまい、とても幸せな気分に なってしまいます。そして、おふとんの中でのんたんをぎゅっと抱きしめてしまうのでした。
「かーたんにチュウは？」
と言われて、おかあさんのほっぺに上手にキスできるようになったのは、のんたんが５歳のころ でしたが、それから４年たって、のんたんはようやく、おかあさんにキスされて、「かーたん、だいすき！」 と返してくれるようになったのです。
「そんなの、ただ言ってるだけじゃないか。意味がわかってるんだかどうだか…。」
なんて、おとうさんはケチをつけています。
　　たしかに、そうかもしれません。のんたんが、「かーたん、だいすき！」の意味がわかっているか どうかは、おかあさんにもわかりません。けれど、それでもいいじゃない、と思うのです。
　　おかあさんといっしょのおふとんにはいって、おかあさんに腕まくらをしてもらって、 おかあさんにチュッとしてもらったとき…。そんな、あたたかい気持ちのときに、「かーたん、だいすき！」 って言うのか、とのんたんが思ってくれたとしたら、それだけでオッケーだ、とおかあさんは 思っているのでした。
　　夜、家に帰ってきたときに、
「かーたんにチュウは？」
と言われて、のんたんがおかあさんのほっぺにキスするのが、おかあさんは毎日の楽しみでした。
　　でも、このごろは、おかあさんの楽しみがもうひとつ増えました。
　　おやすみのときに、のんたんが言ってくれる、「かーたん、だいすき！」です。おかあさんは、 それを聞くだけで、一日を幸せな気分で終わることができるのでした。

（おわり）