あみちゃん日記　６

３．だいすきなあみちゃん　〜その５：ちょっとだけひとりっこ〜

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だいすきなあみちゃん　〜その５：ちょっとだけひとりっこ〜

　　いちばんはじめにそれを実行したのは、おかあさんでした。
　　それは、あみちゃんがまだ４歳のころのことです。
　　たまたま応募した懸賞に当たり、「箱根日帰りバスツアー（昼食付き）」の招待券が、おかあさんのところに 送られてきたのです。招待券といっても、ひとり分だけですので、同行する人は一万円が必要です。 それがツアー会社のねらいなのかもしれません（笑）。
　　ひとりで参加してもつまらないでしょうが、おかあさんにはある考えがありました。それは、 「あみちゃんとふたりでこのバスツアーに参加する」というものです。
　　日ごろ、一家四人で行動することの多いのんたん一家ですが、たまにはあみちゃんだけを 連れ出して、あみちゃんにも「ひとりっこ気分」を味合わせてあげるのもいいんじゃないか、と おかあさんは思ったのです。
　　バスツアーがでるのは平日ですので、おかあさんが休暇をとり、のんたんを保育園に預ければ、 それで母娘旅行ができてしまいます。早速ツアー会社に問い合わせてみると、あみちゃんは４歳だし、バスの座席も昼食も ひとり分だけでよければ、あみちゃんの参加費は無料でよいとのことです。「タダ」が好きな おかあさんは、すぐに参加を申し込んでしまいました。
　　これを聞いたあみちゃんも大喜びです。
　　こうして、とても寒い２月のある日、おかあさんとあみちゃんはふたりきりでバスツアーに 参加したのです。
　　ふたりきりのおでかけは初めてでしたが、「大湧谷」や「芦ノ湖」など、ツアーの内容は もりだくさんで、あみちゃんは一日中うれしそうでした。昼食は幕の内弁当とおソバだったので、 あみちゃんとふたりで分けて食べても十分でした。いつも食べるのが遅いあみちゃんですが、 この日ばかりはあっというまに全部食べてしまいました。
　　このときの旅が大成功だったことに気をよくしたおかあさんは、その後もプレゼントに応募し続け、 翌年には、「甲府バスツアー」、さらにその翌年には「河口湖バスツアー」と、毎年母娘無料バス ツアーを実現したのでした（苦笑）。
　　けれど、このバスツアーも、３年で終わってしまいました。
　　なぜなら、あみちゃんが小学校に入学してしまったからです。無料のバスツアーは、なかなか お客が集まらない平日にしか行われないのです。ですから、小学生になってしまったら、学校を 休ませてまでツアーに参加させるわけにはいきませんでした。
　　それでも、「おかあさんとふたりきりでおでかけをする」ということがよほど楽しかったようで、 あみちゃんはときおり、
「また、おかあさんとふたりで行きたいな…。」
と話していました。
　　それを聞いているうちに、次にその気になったのが、おとうさんだったのです。
　　初めて実行したのは、２００３年の夏休みでした。
　　その夏、ＪＲが開催していた「ポケモンスタンプラリー」のことを会社で同僚から聞いたおとうさんは、 「あみこを連れて行ってくるよ。」
と言い出したのです。
　　もっとも、どちらかと言うと、「あみちゃんのため」というよりは、「自分もそれをやってみたい」 という好奇心の方が強かっただけみたいですが（笑）。
　　このときのスタンプラリーがとても楽しかったようで、それ以来、おとうさんはあみちゃんと ふたりだけの「特別なおでかけ」を企画するようになりました。
　　この夏は、とうとう会社をお休みして、あみちゃんとふたりで明野村（山梨県）まで行って しまいました。
「見渡すかぎり、一面のヒマワリ畑なんだって。あみこに見せてやろうと思って。」
などと言っていましたが、本当は自分が見に行きたかったのかも知れません（苦笑）。
　　もちろん、今年の「ポケモンスタンプラリー」にも、しっかりふたりででかけていきました。
　　あみちゃんを「ちょっとだけひとりっこ」にするために、この夏休みもがんばったおとうさんの 思い出アルバムを、ご紹介します。